サイアノタイプを用いた作品の構想メモ。
テーマは「時間の収集と観察、そして培養」。
支持体としてシャーレを用い、そこにイメージをプリントする。

「培養」という言葉については、シャーレを用いることから思いつきでつけているものではあるが、写真表現を考えるうえでおもしろい着眼点になるのではという直感がある。この直感を、実際の制作活動を通しながら言語化していきたい。
時間の収集と観察という基本的な写真的機能によって、撮影された瞬間を凍結するように固定化したイメージを鑑賞することができる。ただし、その写真がもつ時間軸は未来へ向かうことはない。写真が想起する「死」のイメージも写真が本来的に未来の概念を持てないことから生れるものだろう。
しかしながら果たしてそうなのか、というのが私が写真制作を続ける一つの動機でもある。写真が明確に未来を想起させることはできる。その確信をもって様々なモチーフ、技法を用いて写真作品を制作している。
かつて、「洗濯物」をモチーフに制作したのもこの動機のためである。
培養という言葉が持つイメージ。
育てる。増殖する。というように、変化・変動。
新たに生まれるもの。時間の創出。進行。
未来につながる概念として培養という言葉と製作技法を掛け合わせて何か面白いものが作れないか。検討中。
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